ハルバースタム×ハラウェイの業界話

 本家ブログでジュディス・ハルバースタム絡みの話をやっているところなので、ここでは軽く業界話を。
 サイボーギズム、サイボーグスタディーズで有名なドナ・ハラウェイが犬を飼いはじめてちょっと怪しい方向に行ってしまい、『The Companion Species Manifesto: Dogs, People, and Significant Otherness』を書いたのは2003年のこと。当時「人間は犬とともに進化してきた! 人間が犬を飼うのと同時に、犬も人間を飼っているのだ! 人間が犬の世話をするように、犬が人間を躾けたのだ!」という素晴らしい話(ちょーいい加減な紹介)を講演会で聞いたハルバースタムは、「人間が世話をしなくても良いAIBOのような犬も生まれているが、どうなのか」と質問した。それに対するハラウェイの回答がすごい。
 「シミュラクルに欲情する人は、それが相応しい。」
 サイボーグを肯定していたはずの人が、いつの間にか単なる犬大好き人間になっていたという話。
 めでたしめでたし。