自称日系人マイク・ホンダ議員

 先週、あるコンファレンスで講演するためにサンフランシスコに行ってきたのだけれど、たまたまジャパンタウンで第二次世界大戦中の日系人収容に関するイベントが行なわれていた。そのイベントのメインスピーカーは、かのマイク・ホンダ下院議員−−かつて従軍慰安婦問題について日本政府の責任を問う決議を推進した人物だ。
 そのことで、ホンダ議員は日本のネット右翼によってただ単に主義主張を批判されるばかりか、「自称日系アメリカ人」(実はコリアンかチャイニーズ?という含みで)とか「コリア・チャイナロビー」とかさんざん言われたり、自称ジャーナリストに韓国系の団体からこんなに政治資金を受けている、と揶揄されたり(実際その額は大したことがなかったのだけれど)した。
 そのホンダ議員がいま熱心に関わっているのが、第二次大戦中に収容された、南米の日系人たちの救済だ。当時南米に住んでいた多くの日系人たちが、米国に連行され、在米日系人と同様に収容された。また、かれらは米国に居住権がなく、もともと住んでいた国も積極的に受け入れようとはしなかったため、戦後収容所が廃止されても元の国に戻れず、米国で住むこともできずに、南米で生まれ育ち日本語をしゃべらないにも関わらず日本に送られた人も多くいた。
 かれらに対する補償は、ごく一部の特殊な状況に置かれた人に対してのみおこなわれているが、まったく十分とは言えない。そこでホンダ議員は、同僚らと協力して、かれら南米出身の日系人を救済するための法案を執筆し、いまの議会で成立させようとしている。
 このことから分かるのは、ホンダ議員は人権派のアツい議員だけれど、反日でもなんでもないってこと。ホンダ議員の主張がおかしいと思うならそれを批判するのは自由だけど、ありもしないことをでっちあげたり、どこにでも陰謀とか腐敗を見出して騒ぐのはみっともないよ。ねぇ自称愛国者さん。