話にならない批判に超大サービスでお応え

 最近、なんだか話にならないレベルの批判がきてます。

http://blog.goo.ne.jp/wordphrase/e/68192a1eeb4c6f9faee0347c286d580c


http://blog.goo.ne.jp/wordphrase/e/b13521faaea791f913641353a0a52464

 この人は、まず何が論点になっているか分かっていないだけでなく、その論点についてわたしや他の論者が何を主張しているかも全然分かっていません。以下具体的に。

生物学的な話になったら「男女は生まれつきの差がある」というのが当然の結論になってしまう。

 そんなレベルの議論は誰もしていません。

最初にジョン・マネーを持ち出したのは上野千鶴子であり、それを批判されると、わけわからない反論で逃げるというのは如何なものか。

 「男女に生物学的な生まれつきの差異があるかない」とは上野は言っていませんし、その論点についての根拠としてマネーを持ち出してはいません。

生物学の議論として生まれつきの差があるのか無いのかはっきりさせてほしいものである。

 そんな議論は誰もしていません。

ジョン・マネーを肯定的に取り上げたことは、「ラディカルすぎた。間違いだった」と言ってもいいはずである。

 それを言うなら、具体的に「上野のここの記述はラディカルすぎた、間違いだった」と指摘するべき。

つまり、”男女の差は全くない”と言い切らないといけないと思っている上野千鶴子周辺の異常さという問題である。

 「男女の差は全くない」と言う人は(まぁ世界のどこにも一人もいないとまでは言わないけど、ほぼ)いないのに、「上野千鶴子周辺は『男女の差は全くない』と言い切っている」と思い込んでいるこの人の異常さが問題でしょう。

ジェンダーフリー系で活動している小山エミ(macska)がこんなことを書いている。

 ジェンダーフリー系で活動なんてしてませんが。


 つづいて、わたしの文章から一部引用してきたあとに以下の記述。

これなんだが、ジョンマネーに関する問題の反論になっていない。

 だって、それは「ジョンマネーに関する問題の反論」を書いた部分ではないもの。そこは、「ダイアモンドがフェミニズムについてこう言っている」という指摘に対して、「それはダイアモンドが間違いですよ」と答えているだけ。

ジョンマネーの問題は、男女の差に生物学的根拠が無いと述べたことである。

 いくらマネーでも、そんな事言っていません。

ジョンマネーがフェミニズム理論をどう理解しているかなんてのは、論点ずらしである。

 それはマネーでなくて「ダイアモンドが」の書き損じだろうけれど、いずれにせよ「ダイアモンドがフェミニズム理論をどう理解しているか」を挙げたのはわたしではなく bruckner05 さんなので、論点ずらしと言うならあちらが論点ずらしをしているのです。

また以下の小山エミの文章はかなり墓穴を掘っていないだろうか?

「双子の症例」以前にそのような主張が書かれたフェミニズムの本はいくらでもあります

要は生物学的根拠が否定されたジョンマネーの学説と似たようなことをフェミニズムは書いていたと。
それならフェミニズムは否定されるのでは?

 もしその発言が「墓穴」になるとしたら、それはわたしが「フェミニストは絶対に間違えることがない、フェミニズムと名がつく理論で間違ったものは過去にも未来にも絶対にありえない」と主張した場合だけでしょう。そんな主張をするフェミニストは、おそらく一人もいないはず。フェミニストによって書かれた本だって、さまざまな間違いがあるに決まっています。
 この人だって「保守」を自称しているようなのだけれど、保守を名乗る主張であれば常に全てが正しいとは思っていないでしょう? 保守派の本の中にもさまざまな間違いがあると認めたところで、保守主義が否定されることにはならないはず。


 今回だけ大サービスでお応えしてしまったけど、次から相手にしてほしければせめて「批判対象の主張をきちんと理解したうえで」批判してくださいね。それが難しければ、まず「わからないことは質問する」「批判する相手の発言を引用して、正面からそのどこがおかしいか指摘する」あたりからはじめてみてください。それだけでもかなり「話にならなさ」の度合いは下がるのではないかと。