オークランド空港の手荷物検査にて。

 米国ではかなり前から「液体やジェル状のものは原則持ち込み禁止」ということになっている。ただし旅行用の小さなシャンプーや歯磨き粉の容器であれば、透明な小さなビニール袋に入れて別にX線検査機に通せば持ち込めるのでわたしは常にそうしているのだけれど、いつものように手荷物検査を通り抜けようとしたらスーツケースの中に液体があるようなので開けてもいいかと聞かれた。
 「ほら、シャンプーとかはちゃんと別にしてますよ」とビニール袋に入ったシャンプー等を見せたのだけれど、係の人は他に何かあると言ってスーツケースの中をかなり念入りに探している。なにかうっかり入れたかなぁと思っていたら、出てきたのはサンフランシスコのジャパンタウンで買ったばかりの「お好み焼きソース」だった。わたしの頭の中ではソースは「食品」扱いだったので、シャンプーと同じカテゴリに入るとは思いつかずに入れてしまったのだ。
 例外的に持ち込みが認められているのは小さな容器に入った容器だけなので、普通サイズのお好み焼きソースは到底持ち込むことはできそうにない。チケットカウンターに戻ってスーツケースごと預けることはできるけど、そうすると飛行機に乗り遅れてしまうかもしれない。シャンプーやジュースなど他のものであればその場で放棄しても構わないのだけれど、ポートランドではなかなかお好み焼きソースは手に入らないのでこればかりは手放したくない。
 とっさに検査員の顔を見上げながら「これはベイエリアでは買えるけど、わたしの地元じゃ手に入らないんですよぉ」と泣き落としに入るわたし。情けないけど警察やセキュリティ相手には smile pretty and watch your back が一番。で、泣き落としが聞いたのかどうか分からないけれど、検査員(政府職員)の人がこんなことを言い出した。「これがあなたの健康上、持ち込みを必要とする物でない限り、持ち込みは認められないので破棄してもらうことになりますよ。これは、あなたの健康上、持ち込まなければいけないものですか? はいかいいえだけ、よく考えて答えてください(ウィンク)」。
 …検査員の方に深く感謝します。


 ところで、ポートランド市内で(ビーバートン等まで行かずに)日本の食品がひとそろい手に入る店って無いですか? >オレゴン在住のみなさま
 日本人コミュニティに全然関わってないので、情報流れてこないよ。