ワシントン大学病院における重度障害児への「子宮摘出手術」はやっぱり違法

 CNN 記事「Report: 'Pillow angel' surgery broke law」を読む。昨年11月に当*minx*でも取り上げた「医療としての『成長停止』『生殖器摘出』とその倫理」の続報。このケースでは、重度の障害を持って生まれ知能的にも幼児並みのまま発達が見込まれない女の子に対して、身体の正常な発達を停止してそれ以上大きくならないようにするとともに、子宮などを摘出する手術が行なわれた。理由は、施設やケースワーカーの支援を借りずとも両親が自宅で彼女の面倒を見るためには、体が大きくなりすぎない方が都合が良いからというもの。
 記事によれば、このたびワシントン州の Protection & Advocacy(各州に設置が義務づけられている独立機構で、障害者に対する人権侵害を調査し摘発する)がこの件について調査し、こうした医療行為が違法であったとの見解を示した。特に問題とされるのが子宮の摘出で、過去には優生思想のもとで障害者や貧困層の女性に子宮摘出が強要された経緯があるので(現在でももちろんあるが)、本人の合意なくそうした手術を受けない権利は法的に厳格に保証されている。今回のケースでは重度の知能障害のある未成年が当事者であり、裁判所の許可なく子宮摘出が行なわれたことは明らかに違法だとわたしも思っていたので、なぜああいう医療が行なわれたのか不思議だった。
 この問題を起こしたワシントン大学とその医療倫理審査部ってわたしの仕事とも無関係なところじゃないので、今回の件をきっかけにより障害者や子どもの身体的な権利を重視するようになって欲しいんだけど。