あれ、リバタリアン大統領候補はボブ・バー元下院議員だってさ
本家ブログエントリ「改革派と急進派の抗争@リバタリアン党全国大会」で、同党の大統領候補指名に最も近いのはボブ・バー元下院議員、というメディアの報道は間違いで、単に共和党有力者だったバーしか主要メディアがよく知らないだけだーーと書いたあとで恥ずかしいのだけど、今日の代議員投票でバーがリバタリアンの大統領候補に選ばれた。最後の決選投票でもう一人の保守系候補がバーを支持することを表明して決着がついたらしい。
読みが外れたという意味ではがっかりだけど、この結果は民主党オバマ候補にとって都合が良く、共和党マケイン候補にとっては面倒な事態となる。マケインはただでさえ党内保守層に完全に信頼されていないわけで、数%でもバーに共和党支持者の票が流れればマケインはかなり困るはず。
しかしリバタリアン党にとっては、決して良い結果ではないと思う。一部では「これでリバタリアン党により注目が集まる」という意見もあるけれど、バーに共感するような保守派ばかりたくさん集まってくるのも考えものだ。さらに、共和党支持者の一部を離反させた結果マケインが小差でオバマに敗北するようなことがあれば、2000年の大統領選挙後に緑の党が民主党支持者から受けたのと同じくらいのバッシング(消費者運動活動家ラルフ・ネイダーに入れられた票のうち1%でもゴアに入っていれば、ゴアが当選していた)を受けることになる。
とはいえ、リバタリアン的な政治思想を持つ有権者の票をリバタリアン党と共和党で取り合うようになれば、共和党内でもロン・ポール議員のようなリバタリアン的な政治家が影響力を強めることもあり得る。リバタリアン党にとって不利でも、リバタリアン的な政治運動全体にとっては有利にはたらくこともあり得るか。
わたしは思想的にはリバタリアンが目の敵にするリベラリストだけど、既存の二大政党へのオルタナティヴというのはもっと活発になって欲しいと思う。その点で言うと、緑の党もリバタリアンも、大統領選挙に名の知られた候補を出すことばかり気にしすぎだと思う。もし本気で二大政党に挑戦しようというなら、市会議員あたりのレベルから少しずつ当選者を出して、実績を積ませていくべきだと思うのだけれど。