アメリカ大統領選挙がわからなくなる「10の地域」マップ

 2年まえ「アメリカ大統領選挙がわかるようになる『10の地域』マップ」というエントリにおいて、政策研究機関 MassINC が作成した米国政治情勢マップを紹介したけど、2004年と2006年の選挙結果を加味した新しいバージョンが掲載されていた。一応、こんな感じ。


10 Regions of the U.S. 2008 version


 これ見ながらさっきからいろいろ考えていたんだけど、前のやつの方がよくできている気がする。以下は前バージョン。


10 Regions of the U.S. 2004 version


 新しいバージョンで納得がいくのは、El Norte がカリフォルニア南部で拡大している部分くらい。あとの部分は、無理して地続きの「地域」を作ろうとしているような感じ。一番変なのが Cumberland で、2004年版で Appalachia だった部分が何故か北と西にシフトしているけど、オバマがアパラチア地方では軒並み惨敗したのにインディアナではそこそこ健闘したことから分かるように、アパラチアとその外の政治文化は全然違う。あるいは、2004年版の Great Lakes は「五大湖周辺の重工業地帯」という特色がはっきりしていたのに、その後継と思われる Mega-Chicago はペンシルヴァニアやニューヨーク州西部の工業地帯が含まれていないのがおかしい。Comanche や Southern Inland も、政治的にバラバラな地域が一緒くたにされている印象を受ける。コロラドとテキサスはどう考えても同じ政治文化ではないはずだし。
 MassINC ではこのマップの根拠となるデータや手法をまだ全面的に公開していないので、今後どういうデータが出てくるのか注目したい。とりあえず今の時点では、わたしは2004年版の方が分かりやすいと思っている。