北米インターセックス協会が閉鎖、新団体発足

 数週間前に話は聞いていたけど、北米インターセックス協会が正式に解散した様子。主要メンバーは新団体アコード・アライアンスを発足させている。
 サイトに掲載されている声明によると、ここ数年医学界においてインターセックスに対する新しい医療プロトコルが採択されたにも関わらず、その事実があまり周知されず、また現実の医療もあまり変わっていないことから、新しいプロトコルを広める活動が必要となったとのこと。ところが医療現場における北米インターセックス協会の評判は(間違った思い込みなどを含め)あまり良くなく、効果的にそういった活動に取り組めないので、新団体を結成するに至ったとのこと。
 新団体サイトを見てみると、見事なくらい「インターセックス」という単語が見当たらない。代わりに使われているのは、「性発達障害 disorders of sex development」だ。「インターセックス」という用語はそもそも当事者にあまり好かれている言葉ではないし、親はパニックを起こし、医者は「性自認を正しく決めなければいけない」ということばかりを考えてトータルなQOLを考えなくなるなど弊害が多い言葉だったのだけれど、過去に当事者たちに「インターセックスであることを恥じるな」と呼びかけて勇気をふるいたたせておきながら、今になって隠すことには反発も大きい。また、医者や親の連合体といった形になってしまい、当事者の居場所を奪うような運動になる懸念もある。
 とりあえずアコード・アライアンスのような団体が必要なのはその通りなので、問題は北米インターセックス協会を失ったことによる影響がどう出るかだろう。そのあたり、注意ぶかく見て行こうかと思う。