慰安婦否定論の本、いつどこから出るのかな。

 以前「事実とは無関係に勝ち目のない裁判」として取り上げた、米議会慰安婦決議に関連してマイク・ホンダ議員を裁判に訴えようとしている人たちのグループのサイトを久しぶりに見てみたら、裁判じゃなくて米国で慰安婦問題についての本を出す話になっていた。とっくの昔に出版計画自体についてはid:Apemanさんが取り上げているけど、現状はこんな感じ。

「LIES OF THE LADY CHANG」 のアメリカでの出版計画驀進中。
**平成20年正月元旦より、上の表題(仮名)の英文原稿に着手した。「暗黒大陸・中国の真実」(BURNS REVIEW社)からヒントを得た。 只今、10月には脱稿すべく死闘中なり。クリスマスの日に出版が標的です。本著の目的は「宣伝戦」なのだ。日本政府も、日本の報道機関も、なにもやらないから、隼同志がポケットマネーで闘うことになった。日本は「宣伝工作機関」もない国なのだ。そこへ、「非戦平和宣言」の憲法九条だ。だ・か・ら、台湾の馬にまでなめられるんだよ。
**CARTOさんの出版社、BURNS REVIEWの編集長・TIFFANYさんと契約を交わした。現在までに、$3、000を支払いました。9・31・08(改めた)を脱稿とし、それまでに$4、000を払います。$3、000最終編集作業の追加が出る可能性があると見ている(エラーを訂正した)。その先の出版費用は未知なり。同志のみなさん、ご協力を有難う。伊勢
http://falcons.blog95.fc2.com/blog-entry-167.html

 もともと脱稿予定は8月31日だったはずで、少し遅れているらしい。
 歴史修正主義で有名なバーンズ・レビューといえば、BURNS じゃなくて BARNES なのに間違えてるよ、というのはどうでもいいとして、なにこれ、本を出すのに3000ドルも出版社に支払っているの? で、今後さらに払うの? 文脈から解釈するに、出版社の Tiffany さんという人に編集を手伝ってもらうからその代金が必要みたいなんだけど、普通それって出版社が負担する経費じゃない?
 で、もう一度よく読み直してみたところ、Barnes Review が出版するとは書いていない。もし、単に文章を校正するお手伝い役として Tiffany さんを雇っただけなのだとしたら、著者が編集者に謝礼を支払っているのも納得がいく。でも、あの歴史修正主義出版社が出してくれないのだとすると、一体どこから出版するつもりだろうか。もしかして自費出版
 てゆーかさ、毎日新聞WaiWaiは、日本の週刊誌に載ってたエロ記事とかくだらない記事を「英語に翻訳して全世界に向けて発表する」ことで、日本の評判を落としたから批判されたんだよね? もしこの本が本当に出版されたら、日本の評判に生じる損害はWaiWaiの比じゃないと思うんだけど。
 それはともかく、

隼機関が茶の間の柱時計なら、12時30分の「保守自由主義」と言える。アメリカに拠点をおく隼機関は、「英字出版」「英字広報」「訴訟理由を探る」という三つの機能を持っている。これらの手段を効果的に使って、アメリカ国内に「親日派の味方」を増やすことが目的なのである。伊勢は、共和党マケイン政権の誕生を期待するために応援をする計画だ。日本政府は隼機関を支援するべきだが、淡々と実績を積み上げ、時の氏神を待つのみである。

 どう見ても「親日派を孤立させる」効果しかないんだけど、もし大統領選でマケインを応援するつもりなら、Foreign Agents Registration Act には気を付けてね。アメリカ市民権か永住権を持つ人が「個人として」献金したり選挙運動するのは自由だけど、主に日本から資金を集めている隼機関という団体として動いたら選挙違反になるよ。「日本人が米国の選挙に介入している」なんて騒がれたら大変なので、いまのうちから個人としての政治活動と団体の活動はきっちり分けておいてくださいな。