選挙結果予測について
本家最新エントリ「大統領選挙終盤にもなって、ACORNとビル・エアーズのデマを中心に据えるマケインに失望に関連して、選挙結果予測の部分について追記。本文中、わたしはこう書いた。
米国大統領選挙もあと少しとなり、オバマの当選が9割決まったと言われている中
ここでリンクしたのは、FiveThirtyEight.com というサイト。このサイトはネイト・シルバーという絶対計算者(イアン・エアーズ著『その数学が戦略を決める』参照)によるもので、この人はもともと野球の統計分析で知られている人。打率や打点、あるいは勝利や防御率といったデータに代わり、個々の野球選手が実際にどれだけ勝利に貢献しているかを示す指標 PECOTA を考案したことで知られていて、近年その統計分析を選挙に適用する活動で注目を集めている。
「選挙結果予想の正しいやり方」というタグラインを掲げるこのサイトでは、多数の機関による世論調査を集め、さらにコンピュータシミュレーションを行なうことで、さまざまな結果がどの程度の確率で起きるか緻密な予測を掲載している。これによると現時点ではオバマの当選確率は 93.4% で、マケインは 6.6% とされており、選挙人数にして 344.8 対 193.2 という大差の決着になると予測されている。
ちなみに予測市場を覗いてみると、Intrade ではオバマの当選が 85.2%、アイオワ電子市場では 87.2% と、オバマの優位は揺るがないもののシルバーの予測よりはやや低め。シルバーのモデルは世論調査をベースにしているために、世論調査以外の要素がやや入りにくいのが難点かもしれない。一方、予測市場にも現状では参入者や投資限度額が限られるために、重要な情報がうまく集まらない(特定の方向にバイアスがかかる)という弱点がある。
いずれにしても、大手メディアは実質的に決着がついた選挙をいまだに「少し差が縮まった」とかなんとか騒いで無理矢理接戦を演出している。接戦にしなければ、誰もニュースを観ないものね。