「GID」は小文字ですが何か。

 id:annojo さんのところのコメント欄で、こういう質問を発見。

ran 2008/11/20 20:30
ところで、gid って、いつから小文字書きするようになったんでしょう? 最近では、小文字の方がよく見るような気がします。
ひょっとして、gid.jp の影響? なんて思ってしまいますが。
欧米ではどうなんでしょうか?

http://d.hatena.ne.jp/annojo/20081119/p1

 欧米といってもいろいろ言語があるのでルールはさまざまだと思うけれども、英語では「GID」と「小文字で」書くのが正解。「えっ、それ大文字じゃん?」って思うだろうけれども、それは目の錯覚あるいはブラウザの非対応のせい。 CSS で言うところの font-variant: smallcaps のこと。
 わかりやすいように、画像にしてみた。

     

 例文は「わたしは GID 専門家の診察を受けに NYC に行きました。」言うまでもなく、GID は gender identity disorder(性同一性障害)で、NYC は New York City(ニューヨーク市)のこと。
 画像を見ると分かる通り、NYC という文字に比べて GID の方は目に見えて文字が小さい。一見大文字なのに、小文字の中に馴染んでいる。それは、略語のもととなる単語が GID は全部小文字なのに対し、NYC は固有名詞なので各語のはじめの文字が大文字になっているから。
 英語では大文字のことをよく capital letters と言うけれども、厳密には capital letters というのは大文字だけに見られる文字の形のことであって、capital letters にも大文字と小文字がある。略語を capital letters で表記する場合、元の単語が小文字なのか大文字ではじまる言葉なのかによって、略語が大文字かどうかも決まるということ。 capital letters だけど小文字のものを、small capitals (small caps) と呼ぶ。
 …と、何の役にも立たない無駄知識であなたの脳細胞が少し埋まってしまいました。でも雑誌とか読んでいて、capital letters の大文字と小文字をちゃんと使い分けているのに気付いたら、感動するかも。