「日本は100%何も悪くない」以外は「反日」だという「狂信的判断基準」

先日、本家ブログにわたしが独自に入手し公表した米国議会調査局「慰安婦」報告書及びその解説を掲載したのだけれど、それに対して羅漢同盟というヒトから「macska婆を批判する、。」という、句読点の打ち方から内容の隅々にいたるまで非常に不思議な批判をいただいた。不思議というのは、この人物は何を読んでも悪いほう悪いほうへと強引に解釈しなければ気が済まないらしく、至るところに陰謀や「大嘘」を見出して無茶苦茶な因縁をつけるだけで、ほとんどまったく何の批判にもなっていないのね。あまりにバカらしくて議論以前だから放置しておこうかとも思ったけれど、一度だけ訂正の意味を込めて反応しておく。

h18年4月10日、米国下院の圖書館議会調査局のラリー・ニクシ調査員(極東問題専門)が出した謀略文書、『April 10 2006.Congressional Report Services Memorandum.Japanese Military's "Comfort Women" 』についての解説である。
(略)
さてさてこれを手放しで喜ぶ大馬鹿者がいる。macskaという怪しげな英語かぶれの婆である。

ここでいきなりおかしい。わたしはこの報告書の内容を喜んではいないし、喜んでいるような描写はなかったはず。手放しで肯定しているどころか、その「手放しで喜ぶ」かもしれない一部読者に向けて「この文書は米国外交当局の視点から書かれているから、文字通り受け取っては行けない」と注意を呼びかけてすらいるのね。吉田証言など史料として弱い文献が引用されていることについてもわざわざ「報告書の弱点」と指摘している。一体、どこをどこを見れば「手放しで喜んでいる」ように見えるのか。

その血に餓えた言葉を紹介しよう。


恥ずかしげもなく大嘘を連呼する
『日本政府の立場から言えばこれ以上好意的な内容というのはちょっとあり得ないと言ってもいいくらいだ』
『日本に好意的な内容』
『韓国に対して批判的な内容であり、相対的に日本に対して好意的』


詐欺師顔負けである。職業的ペテン師さながら。

「血に飢えた言葉」とか「詐欺師」とかいうサヨク的な表現が笑えるけれど、大嘘とか詐欺師と言う前に、どの点について報告書が「日本に好意的」だとわたしが言っているのか、この人は理解している様子が全くない。


そもそも、慰安婦制度において深刻な人権侵害があり日本軍が中心的に加担していたことは既に日本政府自ら認めており、それを覆すような内容が米国議会の報告書に出てくるわけがない。現在日本政府と韓国政府のあいだで大きな論争となっているのはそんな点ではなく、元慰安婦に対する直接賠償を行うべきかどうかということだ。日本政府が直接賠償をしない主な理由は、法的な賠償責任は既に決着がついていること。その代わりにとアジア女性基金を通じた支援を実施しているけれど、韓国政府はそれを誤摩化しであると批判している。この問題について、今回の議会調査局報告書はほぼ全面的に日本の言い分に理解を示している。それが「日本に好意的」でなくて何だというのか。


そんな当たり前のことが理解できないということが、まさに羅漢同盟という人物の判断基準が狂いに狂っている証拠なのだけれど、そう言うと、このように言ってくる:

『これだけ日本政府に好意的な文書を読みながらそうだと気付かないほど判断基準が狂っている一部ウヨク論者たちの方だ』


凄い。之ほどの久しぶりに見た。正に白を黒と言い包める論法其の物。本人は恥しくないらしい。
もっとも恥そのものをかなぐり捨てて、売国に走ってる

この場合何が「白」で何が「黒」なのか。現実に日本政府と韓国政府のあいだで論争となっている件について、報告書は明らかに日本の肩を持つ記述となっている。普通、それを「日本に好意的な内容」と表現するわけ。違うというなら、詐欺師だペテン師だと騒ぐ前に具体的にどこが間違いなのか指摘して欲しい。


要するにこの羅漢同盟という人は、慰安婦問題において「日本政府の責任は一切ない」という、日本政府自身ですら言っていないような極端な主張の持ち主であるばかりか、自分の主張がそのように「極端」であることすら認識していない。だから、日本政府はじめ世界中のこの問題について関心を持つ人たちが共有している認識が反映されているというだけで、この報告書は「反日謀略文書」であると決めつけているわけ。もちろん、少数意見だから必ずしも間違いというわけではないし、少数意見の持ち主だって自由に意見を発表すべきだとは思うけど、自分の主張がそれだけ極端なものだというくらいの認識は持ってなくちゃ。どぎつい色の入った色眼鏡で世の中を見るから、なんでもないものが大陰謀に見えてしまうのね。

また頓珍漢なことを叫ぶ。
『(所謂強制連行)なかったと騒いでいるのは一部の国辱妄想バカウヨだけ』
『妄想を書き連ねるヒマがあればそれくらい自分で調べたらどうなの?』


私は真実は見ない、見えないと叫んでる魔女の婆さん其の物。

強制があったかなかったかという点を騒いでいるのは一部のバカウヨだけで、日本政府はそんな点で韓国と論争をしていないというのは事実。「自分で調べたらどうなの?」という部分は、今回米国で慰安婦問題が取り上げられるようになった背景に何があるのかという疑問に対して、具体名を挙げるなどして答えを示した上で、少し報道を調べればすぐ分かることなのだから調べろと言っているのね。相手が疑問に思っていることに応えて真実はこうだ教えてあげている発言を「真実は見ないと叫んでる」というように正反対に解釈する羅漢同盟さんは、いったいどういう頭の構造をしているのだろう。

恥しすぎる売国・親共産主義的言動の数々を『歴史問題の元凶となっている邪魔な日本を切り捨てて米国・中国・韓国の組み合わせで北朝鮮を封じ込めるという考え方も出て来るかもしれない』
(出てきて欲しい。反共拠点の日本なんか出し抜いて、是非支那様と手を組んでくださいましという奴隷根性其の物)

前回書いた通り米国は北朝鮮への対処で日韓との協調を必要としている(と議会調査局報告書に書かれている)のだけれど、もしどうしても日韓の歴史問題でそれが不可能ということになれば「日本外し」というオプションだって当然考えているでしょ。そういうオプションはあるけれども、当面は米国は日本と韓国を協調させようとしている、というわたしの解説を読んで、なぜかそこに「日本なんて外して欲しい」という「奴隷根性」を読み取るのは羅漢同盟さんの妄想でしかない。わたし自身の個人的な要望としては、日本と韓国が歴史問題を乗り越えて協力していくことを望んでおり、両国がどうしようもなく決裂して米国が日本か韓国か選択しなければいけないような事態になって欲しくはないのだけれど。

極めつけの大嘘はこれ。


『また、小泉首相による靖国神社への参拝や、歴史問題についての政治家の失言などが、日本政府が既に発している謝罪声明の信憑性を弱めているとも指摘している。とはいえ、これらの箇所は文面上ごく一部に過ぎず、全体的に見ればこの報告書が日本政府に好意的な内容であることは間違いない。』


>とはいえ、これらの箇所は文面上ごく一部に過ぎず、全体的に見ればこの報告書が日本政府に好意的な内容であることは間違いない
どういう目玉を持ってるのだろうか、何処をどう読んでも反日思想そのものだが。

わたしは文書に書かれていることをそのまま解説しているのに、この人にとっては「日本は慰安婦問題で何の悪いこともしていない」と書いてなければ「反日思想そのもの」になってしまうんでしょうね。ま、それはこの人の価値観だからどうでもいいけど、少なくともこの報告書が「日本『政府』」の立場(公式見解、外交上の主張)に対して非常に好意的であることは確実です。

まさにこの態度は、人を騙して、煮て、食って、骨までしゃぶることを躊躇わない魔女そのものである。

わたしはただ単に議会調査局の報告書を解説しているだけなんですが、それにしても物凄いレトリックを使う人ですねー。自分と同じ意見でないというだけで「大馬鹿者」「大嘘」「血に飢えた」「詐欺師」「売国」「魔女の婆さん」「親共産主義的」と決めつける。というか、羅漢同盟さんってこういう風に相手のことを無茶苦茶に悪く貶めるような事を言うことが「批判」だと勘違いしてないですか?

『米国外交当局の視点から見た場合、慰安婦問題をはじめとする歴史認識問題は、北朝鮮を追いつめて妥協を引き出すために必要な日本・米国・韓国の「3カ国の同盟」に楔を打ち込み、韓国を中国や北朝鮮の側に追いやる「メンドウな問題」なのね』


昔からアメリカは中韓の側に立ってますから、「メンドウな問題」ではありません。むしろ「有益な問題」です。
北鮮なんか実はどうでも良いんです。本音は。

この部分も、わたしは議会調査局報告書に書かれていることをそのまま解説しているだけなのだけれど、要するに羅漢同盟という人はどんな資料にも載っていない「本音」というのを知っているから、報告書に何と書いてあっても無関係だと言っているのね。慰安婦問題が米国にとって「有益」だなんて、世界中の誰も言っていない超珍説だと思うのだけれど。まあ、どんな資料よりも自分の脳内の真実が優先するという人とは何を論じても意味がないので、これくらいにしておきましょう。


あ、ついでに言っておくけれど、わたしが誰かと「朋友」だと勝手に決めつけないように。一部事実に反するし、迷惑です。