せっかく解説まで書いたのに、無茶な誤読はやめてよねー

 最近、米国議会でまた「慰安婦決議案」が審議されることとなり、それに対して日本の政治家らが逆効果としか思えない無様な抵抗をしていることもあって、わたしが以前本家ブログに書いたエントリ

 これらの項目へのアクセスが増えているのだけれど、それに関連してとんでもない記述を見つけてしまった。「国辱的決議を吹き飛ばせ!」というエントリのコメント欄なんだけど、

これに関連して、macskaさんの発見された「日本軍慰安婦に関する米議会調査局の報告書」があります。
http://macska.org/article/134

これによると、「There is little question that the Government of Japan has acknowledged fully the role of the Japanese military and government in establishing and operating the comfort women system before and during World War II.」ということで「日本政府や軍が“慰安婦”システムの構築、ならびに運用に関与したとされることには疑問がある」として、旧日本軍や政府の関与に否定的な見解を述べています。

 これは、明らかのこの人の誤読。「There is little question that...」は、「疑問がある」ではなく「疑問の余地はほとんどない」と訳すのが正解。文全体を訳すと「日本軍および政府が第二次世界大戦の戦前および戦時中に慰安婦制度の設立と運用に果たした役割を日本政府が認めたことは、ほとんど疑問の余地がない」。つまり、ここは日本政府の公式な立場を紹介しているだけで、米国議会調査局独自の見解ではありません。
 同じミスは、別のブログのコメント欄にも発見。というか、おそらく同一人物によるものなんだろうけど、英語読めないのに先入観で自説に都合のいい誤読しないでよね。