いわゆる100ドルラップトップ、すごいよ

 今日もプールに泳ぎに行って、帰りに OSCON (Open Source Convention) に寄ってきた。もちろん(無料の)展示場オンリー。
 一番感激だったのが、One Laptop Per Child が作っている XO を実際に15分くらい試したこと。このプロジェクトは、開発途上国を中心に世界中の子どもたちに教育目的でラップトップパソコンを普及させようというもので、つい最近その第一弾がナイジェリアで配布開始された。100万台単位で各国政府や国際援助機関が購入して配布することが想定されていて、一般販売はされていないので、こういう機会でもなければ見ることはない。

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 耳のように飛び出ているのが Wi-Fi アンテナで、同時に非使用時に USB ポートなどをカバーする仕組みになっている。説明してくれたオレゴン州立大学(OLPC ではメディアプレイヤアプリケーションを担当)の人によると、Wi-Fi シグナルはスクリーンと干渉するため、こうしてちょっと挙げるだけで Wi-Fi の範囲が劇的に拡大するらしい。
 子どもが使うことを想定して、キーボードは砂も水も入らない構造。閉じた状態なら人の背ほどの高さから落としても壊れない頑丈さ。入っているアプリケーションも、いろいろな楽器の音を合わせて音楽を作るソフトとか、子どもたちが楽しく使えそうな感じ。直下日光でも画面が見えるようにバックライティングを止めるボタンもあるし、今回は見られなかったけど電源アダプタからは取っ手のついた紐が出ていてそれを引けば充電できるらしい。
 うっかり閉じてしまって、再び開けようとするのだけれど、ラッチを開けるためのボタンもスライダも見つからない。実は、耳の部分を掴んで持ち上げればそれだけで開くのだった。「ラップトップに慣れた大人は開けるのに苦労するけど、子どもは一瞬で開け方を悟るよ」とオレゴン州立大学の人が言っていた。
 これの原価が現在175ドルで、でもそれは100万単位のロットが前提。今年中には(販売やサポートを担当する企業が決まれば)市販されるんじゃないかという話だけれど、オレゴン州立大学の人は「一般には倍の値段で売って、『1台買うごとに、途上国の子どもに1台寄附されます』とするんじゃないか」と言っていた。ただ単に上乗せされた金額が寄附になるというより、1台の具体的なマシンが寄附されると思った方が気分がいいので、わたしも賛成。1台といわず、「1台買うごとに2台寄附」でもいいんじゃないかな。
 第二に感激だったのが、ラリー・ウォールとお話しちゃったこと。ていうか、展示会場を歩き回るのに疲れてソファに座ったら、たまたま前にいる人と目があって、「やぁこんにちは」っていうから見たらラリー・ウォールだった。いきなりなんで何と言っていいか分からなくて、「うわ、あんたラリー・ウォールじゃん」と言ったわたしだった。Perl にはもう15年くらい前からお世話になっています。
 その他。Free Software Foundation のブースでスタッフの人と RMS のゴシップ話をした。わたし以前 RMS にちょっとよく分からない絡まれ方してるのね。Debian のブースでは、ただ単に「Debian」という表示があるだけで、椅子や机すら取っ払って濃い人たちが何か濃い話をしていて近寄り難かった。PostgreSQL の人にユーザかどうか聞かれたから、MySQL しか使ったことがないと言ったら、なんかすごく嫌な顔された(興味を持ったから見に行ったのにー)。Python を使ってワイヤレスで Tux の人形 (Tux Droid) にいろいろな動きをさせる(言葉もしゃべれる!)デモ&販売をやっていたのが楽しかった。スナックにと無料のチョコレート菓子が山のように積んであったのはどうかと思った。ポートランドLinux ユーザグループだけじゃなくて、PHP ユーザグループとかあるのには驚いた。Open Source Initiative のシャツを5ドルで買おうとしたら手持ちの現金が4ドル75セントしかなくて、売り手の人から25セントめぐんでもらってしまった。FreeBSD の人が堂々と角を頭に付けているのに対し、Mozilla のブースで Firefox グッズを売ってた男の人(2名)はキツネ耳の飾り(頭に付けるやつ)がそこにあるのに付けていないので「どうして付けないの」と言ったら「それだけは絶対できない」と言われた。iPhone をやたらと見かけた(見せびらかしてる?)。
 本日の技術系水泳ブログ更新は以上。