職場で「800円やるから減量しろ」と言われたら

 昨日の Associated Press の記事「Study: Money Can Prod One to Lose Weight」(09/24/2007) で興味深い研究が紹介されている。 Journal of Occupational and Environmental Medicine に掲載された論文によれば、企業はわずかな金額の賞金を提示することで社員に数キロ減量するように動機付けることができるという。
 企業が社員の減量を歓迎するのは、社員の健康保険のコストの一部もしくは全額が企業負担になっていることが多いからだ。大企業では会社内にフィットネスクラブを作ったり社員食堂のメニューを工夫したりすることがあるけれども、それらはまとまった投資を必要とするけれども結果が保証されているわけではない。それなのに減量に賞金を結びつけるだけで社員の減量を促せるとは、身も蓋もない。
 1000 人の社員を対象として1年間に渡って行なわれた研究によれば、何も賞金を提示されず減量を促された被験者は平均で2ポンド(0.9kg) 減量したのに対し、7ドルの賞金を提示された被験者の減量幅は平均5ポンド (2.3kg) に及び、さらに14ドル提示された被験者は7ドルのグループに比べ5ポンド以上減量する割合が跳ね上がった。
 7ドルといえば日本円にして800円にしかならないわけで、たったそれだけの金額によって減量する動機が左右されるというのはちょっと信じ難い。また、何の賞金も約束されていない被験者までもがわずかとはいえ減量しているところを見ると、金銭以外の動機がかなり影響していそうだ。それがどういうものであるかは、この記事からは分からないけれども。
 いずれにせよ、よく知られているように減量した分だけ体重がまた戻るということはよくあるわけで、長期的にこの方法はどうかなぁという気はする。