まぁ、不安のポピュリズムってのは、常にもっともらしい名目を掲げるんだけど。

 国籍法改正に反対票を投じた新党日本田中康夫代表がサイトで声明を発表している

この問題は、右も左も関係有りません。イデオロギーを超えた、人間の問題、日本の問題なのです。
12月5日(金)の参議院本会議で私 田中康夫は、「国籍法の一部を改正する法律案」に反対票を投じました。
DNA鑑定制度の導入と父親の扶養義務を明記せぬ今回の「改正」は、更なる「闇の子供たち」を生み出す偽装認知奨励法、人身売買促進法、小児性愛黙認法、即ち人権侵害法に他なりません。

 国籍法改正によって人身売買が増える恐れがあるのかどうかは、人身売買について研究している人や、人身売買の被害者を支援する運動をしている人の話を聞けば分かるはず。田中康夫さんは、いったいどれだけ調査をしたうえでこうした主張を繰り広げているのだろうか。少しでも事情を知る人の話をきちんと聞けば(その人が国籍法についてよく知っているとして、だけど)、そんなことはないと分かるだろうに。
 さらに、こんなことも言っている。

この間、「おかしいことは、一緒に変えていこう。」と新党日本及び私へと、数多くの方々からメール、FAX、手紙、電話を頂戴しました。
まさに人間の問題、日本の問題たればこそ、「国籍法『改悪』に疑義有り!」 と全国津々浦々で燎原の火の如く、不毛な二項対立的イデオロギーを超えたムーブメントが、短期間に広汎な拡がりを見せたのです。
それは、バラクオバマ次期大統領を誕生させる原動力となった、アメリカ合衆国に於ける新しい草の根運動と似通っています。
会社や組合という組織の都合ではなく、個人や地域という人間の未来に根ざした政治を求める、ユナイティッド・インディヴィジュアルズ=自律した個々人が連携するムーブメントなのです。

 米国ではネットでの政治運動といえばリベラル勢力が圧倒的に有利だけれど、日本では不安のポピュリズムによって不寛容を広げる「ネット右翼」的な活動が目立つ。そうした内容面をのぞけば、たしかに似た点はあるかもしれない。でも比べるならフツウ、日本の国籍法改正反対派が繰り広げたキャンペーンは、米国で「テロリストを入れるな」「犯罪者を追い出せ」とばかりに、人種差別剥き出しに移民バッシングをした連中と比べるべきでしょ。
 もちろん田中さんは、排外主義的な主張を直接はやってはいない。でも、自分の元に届くメール、FAX、手紙、電話の中には、外国人への偏見に基づくものや、排外主義的なものが大量にあるはずなのに、それを黙認するだけでなく、こうやって賞揚しているんだから、完全に同罪。いや、不安と不寛容の醜悪な大合唱に、「人権擁護」という偽りの名目を付けて正当化するのだから、むしろ田中さんの方がタチが悪い。