ゲイ遺伝子が存在し、淘汰されないとするなら

kleinbottle526 さん

実際、ゲイの遺伝子があったとして、それは根絶されてしまうのか


多くのゲイは子供を作るんですよ。特にこれまでの社会では、結婚しなきゃ子供作らなきゃっていうプレッシャーがあるから、多くの人間が結婚して子どもを作ってきたんですよ。その後同性と婚外恋愛したり離婚したりはあるかもしれないけれど、別に子供は作っているわけで、いや「子供を作っているから偉いだろ」とかいう意味ではなくて、実際の話、ゲイの遺伝子があったとしても、それは根絶されてしまっているはずだなんて言えないよという話。

 えーとですね。「多くのゲイは子どもを作る」は反論にならないんでは。なぜなら、標準に比べてほんの少し適応度(進化論では、子孫を残す確率)が低いだけでも、長い進化的時間のあいだには淘汰されるから。
 「ゲイ遺伝子」がある(かもしれない)とする立場で、それが「淘汰されない」としたら、その有力な説明は血縁淘汰でしょう。すなわち、ある割合で同性愛指向を起こす遺伝子があったとして、その遺伝子を持つことはその個体にとっては進化的に不利(適応度が下がる)なのだけれど、結婚せずに親戚の世話をしたり子育てを手伝ったりすることで親族全体に対して利益を与えている(適応度を上げる)という説明ですね。
 その場合、その個体自身が再生産しなくとも、多くの遺伝子を共有している親族が繁殖することで、


(同性愛指向により失われる適応度)≦(親族に同性愛者が存在することによって増える適応度)×(遺伝子を共有している割合)


であれば、同性愛遺伝子そのものも淘汰されずに広まることになるはず。


 ただし、これは「ゲイ遺伝子が存在していたとすると」という仮定に基づく話なので、早とちりしないように。