性暴力における被害者非難(犠牲者非難)の寓話

たぶん何十年も前からあるシナリオ。もっと長いものも含めて、いくつかバリエーションをみかけたことがあるけれど、たまたま手元にあったものを翻訳。

警察官 スミスさん。あなたは一六番街で銃を付きつけられ財布を奪われたというんですね。
スミス その通りです。
警察官 犯人に抵抗しましたか?
スミス いいえ。
警察官 どうしてですか?
スミス 犯人が銃を持っていたからです。
警察官 つまり、あなたは自分の意思で抵抗せずに犯人の言いなりになったわけですね。
スミス そうですが。
警察官 あなたは叫んで助けを求めましたか?
スミス いいえ、犯人が怖かったので。
警察官 なるほど。あなたは過去にも強盗の被害にあったことはありますか?
スミス いいえ。
警察官 でも貧しい人にお金を恵んであげたことはあると。
スミス はい、ありますが。
警察官 それは、自分の意思であげたんですよね。
スミス 何が言いたいんですか?
警察官 こう考えてみましょう。あなたは過去に他人にお金を渡したことがあると。
    そればかりか、かなり気前のいい人だと評判ですよ。
    自分で強盗されるように犯人を仕向けたとは思いませんか?
スミス ちょっと待ってくださいよ、もしお金を恵みたかったのであれば…
警察官 いや、答えなくていいですよ。で、この事件は何時頃に起きましたか?
スミス たしか午後十一時ころだったと思います。
警察官 そんな時間にあなたは何をやっていたんですか?
スミス ただ家に向かって歩いていただけですが。
警察官 ただ歩いていたって?それがどれだけ危険なことだか、分かるでしょう?
    強盗に会うかもしれないとは思わなかったんですか?
スミス とくに考えていませんでした。
警察官 そのときのあなたの服装は?
スミス ええと、スーツを着ていました。
警察官 お金のかかったスーツですか?
スミス えっ?確かにそうですが。
警察官 つまりまとめると、あなたは強盗に目をつけられてもおかしくない服装で、
    夜の道を歩いていたと。そういうことですね?
    襲ってくれと言っていたようなものだと思いませんか?

まあ、さすがにこれは解説いらないだろうとw